この記事は以下の人におすすめです。
・リポバッテリーが原因で火事を起こしたくない
安全に家の中でも飛ばせたり、空撮できることで人気急上昇中のドローン!
今回は、そのドローンと切っても切り離せないリポバッテリーの安全な処理方法についてご紹介します。
ドローンにはリチウムイオンバッテリー(リポバッテリー)が一般的に使用されます。
このリポバッテリーは小型でありながら大容量ということで、ドローンにはうってつけのバッテリーです。
しかし、寿命や過充電過放電などが原因で内部にガスがたまると火災に繋がる可能性があり大変危険です。
したがって、寿命や調子の悪くなったバッテリーは火事になる前に適切に廃却処分する必要があります。
今回はTinywhoopやマイクロドローンでよく使われる1セルのリポバッテリーからレース用ドローンなどで使われる大きめの4Sリポバッテリーの処分方法について動画も交えながらご紹介したいと思います。
リポバッテリーの寿命や不調の見分け方
リポバッテリーの寿命や不調の見分け方として以下があるかと思います。
リポバッテリーの膨らみ
基本的にドローンのリポバッテリーの寿命のサインはバッテリーの膨らみなどで判別することができます。
以下は私が使用したTinywhoop用1セルリポバッテリーやレース用ドローンの4Sリポバッテリーです。
ご覧の通りパンパンに膨らんでいます。
いかにも破裂寸前でガスがでますよ!と言わんばかりの状態です汗
膨らんでないリポバッテリーと比較すると一目瞭然かと。
一般的にリポバッテリーがこのように膨らむ原因は、過充電や過放電が考えられます。
上記の1Sリポバッテリーの写真の場合は、恐らく過放電です。
というのも、Tinywhoop飛行中に急激にスロットルを上げすぎた実感があるからです汗
もし、この状態で針などで刺したら、一気にショートし激しく燃えるかもしれません。
リポバッテリーの1セルだけが使えなくなる
これは2セル以上のリポバッテリーの話ですが、一般的には1セル死ぬと言ったりしますね。
こうなると充電もできなくなるので、すぐに分かると思います。
上記のレース用ドローンの4Sリポバッテリーは、私が初めて買ったものでして、ある日、充電しようとすると、突然「High Voltage」のアラートが充電器に表示されて充電できなくなりました。
この時は何が原因か分からず、時間が経てば電圧も下がり、充電できるようになるのかな?と軽く考えていましたが、何日経っても充電できる気配がありませんでした。
実はこのバッテリーは4セルなんですが、充電する際、充電器をよく見ると3セルの表示になっています。
そうなんです。この時、一つのセルが既に死んでいたのです。
ただ1セル死んでしまっても復活させる方法もあります。
私の場合、最初に少し容量が大きめのリポバッテリーから1セル死んでしまったリポバッテリーにある程度充電し、その後、充電器を使って充電すると充電できます(復活している)。
ただこれは私のやり方なので、他にも良いやり方があるかもしれません。
いずれにせよ、こういったやり方は自己責任でやるしかありません。
リポバッテリーのもちが悪くドローンの飛行時間が短くなる
これも明確なリポバッテリー寿命のサインですね。
例えば以前は、そのリポバッテリーを使って3分飛ばせていたのに、30秒ぐらいで充電切れになるようなケースです。
以上のようなリポバッテリーの状況になった場合は、潔く処分しましょう。
リポバッテリーは安くはないので、まだまだ使えるでしょ!と、ズルズルと使い続けたりするのですが、これが原因で火事になり人命にまで危険を及ぼしてはいけません。
いさぎよく処分しましょう!
バッテリーチェッカーでバッテリー寿命を確認する
リポバッテリーの一つのセルが死んでいるかどうかをバッテリーチェッカーで確認することもできます。
以下のバッテリーチェッカーは1000円ぐらいで購入したものです。
これを使ってバッテリーを以下のように4Sリポバッテリーを接続してみると、写真の赤枠部に3つのセルの表示しかされていないのが分かります。
本来であれば4セルなので、4つ表示されていなければいけません。
更にはバッテリーチェッカーには11.11と表示されていますが、4セルなので14.8ぐらいでないとおかしいことになります。
ちなみに以下が1セルの電圧(3.703V)の表示になります。
以上のことからバッテリーが1セル死んでしまっているのが分かります。
ドローンの1セルや4Sリポバッテリーの処分方法
リポバッテリーを処分することを決めたら、後述する方法で処分していきます。
これはTinywhoop用1セルリポバッテリーに限った方法ではないのですが、最近Tinywhoopも流行ってますので、1セルリポバッテリーを題材に説明していきます。
ちなみにこの1セルリポバッテリーは上述したパンパンに膨らんだものを実際に処分していきます。
食塩水準備
バッテリーを処分するためにはバッテリーを完全に放電する必要があります。
放電させるために、食塩水にバッテリーを漬けて放電します。
①ペットボトル準備(絶縁できる材料)
食塩水を入れるためのペットボトルを準備します。
②バッテリーが完全に水没するぐらいの水を入れる
だいたい1リットルぐらいで良いかと思います。
③水に対し塩を5%ぐらい入れる
1リットルに対し大さじ3杯ぐらいの塩で大丈夫です。
リポバッテリーのケーブルをカット
続いてリポバッテリーのケーブルをカットします。
ショートしないように一本づつカットするのが良いでしょう。
その後、放電させやすいようにゴムチューブの被膜を少し取りケーブルの金属部分を出します。
リポバッテリーを食塩水に入れる
食塩水ができたらその中に先ほどの1セルリポバッテリーを入れます。
食塩水に入れた後は、バッテリーケーブルの金属部から気泡が出てきて放電し始めます。
以下が実際にリポバッテリーを食塩水に入れた動画になります。
リポバッテリーの処分は風通しの良いところで2,3日放置
食塩水にリポバッテリーを入れた状態で2,3日放置します。
2,3日は長いと感じるかもしれませんが、完全に放電させるために必要な時間です。
完全放電後のリポバッテリー
以下は完全放電しているであろう食塩水に入った4Sリポバッテリーです。
夜寝る前に食塩水の中に入れ始め、翌朝の状態です。
約8時間ぐらいだったでしょうか。
既に気泡も発生しておらず思っていたより早く完全放電したようです。
バッテリーの線を切断し金属部分をむき出しにしたのが良かったのかもしれません。
リポバッテリー使用時の注意点
いくつかリポバッテリーの使用時の注意点を挙げておきたいと思います。
- 使用時の過放電を避ける
これは今回の私のような事例ですね。あまり一気にスロットルを上げないようにしましょう。 - 満充電状態で長い期間使わない状態が続かないようにする
私の場合、1週間放置はしないようにしています。 - 長い間使用しない場合は、50~60%ぐらい充電した安定状態で保管する
リポバッテリーの保管方法
保管方法は耐火性アルミケースやリポバックが良いでしょう。
以下の工具箱は私も使っていますが頑丈でおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
リポバッテリー、長く付き合えば付き合うほど、長く使えば使うほど奥が深いです。
そして、危険なのがよく分かります。
雑に扱って人命に影響が出ては悔やんでも悔やみきれません。
パンパンにリポバッテリーが膨らんだときには躊躇せず処分しましょう!
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