日本にはドローンに関する様々な資格や免許があります。
その資格がないとドローンを飛ばすことができないというものから、資格がなくてもドローンを飛ばせる、いわゆる自分の知識向上を目的とするものまで色々あります。
例えば前者でいうとアマチュア無線4級という国家資格があり、この資格を取得しなければ無線免許がもらえず、ドローン映像をゴーグルで見ながら飛ばすFPV(1人称視点)ができません。
逆に後者では、民間団体であるドローン協会が斡旋するドローン検定(無人航空従事者試験)という資格が有名ですが、国家資格ではありません。
本記事ではドローン検定について初心者の方にも取得するメリットを分かりやすく理解して頂くことを目的にまとめてみました。
というのも、私自身がドローン検定3級を受ける際にネットで、これを取得して得られるメリットを色々と調べましたが納得できる内容のものを見つけられませんでした。
そういう意味で私が本当に知りたかったドローン検定を取得して何が嬉しいのか?メリットは何か?取得しないと何か不都合があるのか?をまとめてみました。
ドローン検定とはどんな資格か?
ドローン検定を取得するメリットを説明する前に、ご存知ない方のためにドローン検定とは?について説明しておこうと思います。
ドローン検定の種類
ドローン検定には1級〜4級まであり、筆記試験のみです。
試験の内容はドローン用語、機体の構造、飛行特性、電気電子工学、航空力学、気象学、法律関係などがあり、級によって難易度が変わってきます。
1級になる程、難しくなってきます。
ドローン検定の出題形式
マークシート方式で4択です。
1問2点で全50問出題されます。
ドローン検定の合格率
各級とも80点以上で合格で、合格率は各級を平均すると70%程のようです。
ドローン検定の受験地
全国で受験する事ができます。
ドローン検定の受験料
各級の受験料は以下の通りです。
1級→18300円
2級→12200円
3級→5600円
4級→3000円
ドローン検定の受験資格
各級の受験資格は以下の通りです。
1級→2級取得者
2級→3級取得者
3級→誰でも受験可能
4級→誰でも受験可能
ドローン検定の試験日
各級の試験時期はは以下の通りです。
1級→1,5,9月
2級→1,3,5,7,9,11月
3級→1,3,5,7,9,11月
4級→1,3,5,7,9,11月
更に詳細を知りたい時はドローン協会のホームページを参考にしてみて下さい。
ドローン検定テキスト
ドローン検定取得するための勉強用テキストは以下になります。
ほぼこれだけを勉強しておけば問題ないでしょう。
以下は3級、4級用のテキスト
以下は2級用のテキスト
ドローン検定は本当にメリットがあるのか?
ずばり個人的結論から
前置きが長くなりましたが、ここからが本記事の本題です。
最初に触れましたが、ドローン検定はドローンを飛ばすために必須の資格ではありません。
では必須資格でないドローン検定を取得して、いったいどんなメリットがあるのでしょうか?
結論から言うと、ドローン検定の取得メリットは、個人のドローンに関する知識向上に尽きると個人的には思っています。
もちろん後述するような優遇はあるものの、そんなに嬉しいものではないと思います。
繰り返しになりますがドローンに関する個人の知識向上については全体が網羅されていて良いと思います。
ドローン検定がそれ程メリットあると思わない詳細な理由
ここからは私自身がドローン検定についてそれ程メリットあると思わない詳細な理由を残しておこうと思います。
お時間ある方はお付き合い下さいませ。
ドローン検定のメリットをネットで調べると一般的には以下の事が言われています。
※出典:以下すべてドローン協会ホームページ
- 国土交通省への許可承認申請時に操縦者の資格について証明書を添付できます
- 基礎技能講習(国交省認定)を受講する際に座学1(4時間)が免除されます
- ドローンの安全な活用に必要な最低限の知識を確実に身に着けることができます
- 自己(自社)PRにつながります
- 合格者のみが参加できるQ&Aコミュニティサービスに参加できます(一般の方は閲覧のみ可)
- 飛行ログサービス(オンラインで飛行経歴を管理できる機能)を使用できます
- ドローン検定に合格した証であるロゴを名刺やホームページに記載していただけます
- 提携団体等における各種講習の受講資格を得られます
- 提携団体等における各種講習における座学が免除されます
- ドローン検定オリジナルグッズを購入できます
一番期待してしまうのが、国土交通省へのドローン飛行許可承認申請する際にドローン検定の証明書を添付すると何かしらの優遇がされるのか?例えば申請しなくても良いなどあるのかと期待してしまいます。
以下、ドローン検定の証明書のサンプル
ドローン飛行許可承認申請とは、重量200g以上のドローンを人口密集地など、日本の法律で一般的にドローン飛行禁止とされているエリアで飛ばす時に申請するものです。
重量199g以下には何も規制がないかというとそうではなく、小型無人機等飛行禁止法という法律が適用されますのでご注意ください。
話しがそれましたが、国土交通省へのドローン飛行許可承認申請時にドローン検定の証明書を添付して、何か優遇されるかというと、そういった優遇はなく、あくまで審査時の参考にしてもらえる程度です。
ただし、ドローン検定の証明書のみだと、添付して優遇される内容はないですが、ドローン教習所で行われている基礎技能講習などを終了すると、「飛行許可を受ける際の申請書類の一部を省略することができる」と言う内容に適用されます。
一部とは、受講した内容などによって異なるので詳しくは、お近くのドローン教習所に確認した方が良さそうです。
もしドローン検定を取得していると上記の基礎技能講習(国交省認定)を受講する際に座学1(4時間)が免除されます。
以下は基礎技能講習における座学免除の流れです。
したがって繰り返しになりますがドローン検定の証明書だけだと知識のアピールや、基礎技能講習時の座学免除にしかなりません。
更には基礎技能講習を受けてもドローン飛行許可申請時の添付資料の一部免除ぐらいにしかならないのです。
ドローンを業務に使う方以外は、人口密集地やイベント会場など人口密集地でドローンを飛ばすこともないと思うので、保有するドローン検定級を申請時にアピールする必要もないと思います。
私のように一般的には旅行先でドローン空撮する程度であれば、旅行先は自然あふれる場所のケースが多いと思うので人口密集地でもないですし、そうなるとドローン飛行許可承認を申請する必要もないかと思います。
ただ人口密集地でなくともドローンを150m以上で飛行させたい場合は申請が必要なのでご注意下さい。
話しを戻して更に詳しく見ていきましょう。
航空局がドローンに関する許可承認申請を受領するにあたって、「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」という通達が国土交通省よりだされています。
その中の2-2(6)において、「無人航空機を飛行させる者の能力等に関する基準を制定している団体等による講習会等を受講し、技能認証を受けている場合には、当該認証を証する書類の写しを添付すること」とされており、無人航空機を飛行させる者の能力等の一部として知識を証する認証として「ドローン検定の認定証」を添付することが可能というわけです。
では、添付して何も優遇されないのなら添付する必要はないのでは?と思いませんでしょうか?
そうなんです。
添付の必要性はあまりないと個人的には思います。
あくまで添付の必要性については、許可・承認申請の内容によって、審査側が参考書類として用いるものであり、必要に応じて添付を求められるものであるため、添付なく審査を受ける事も可能です。
因みに現在の日本国内の法令上、許可・承認審査にあたって、優遇等を受けられる認定や免許等の制度はないのです。
よく「国土交通省認定 ・・団体」と名乗る講習団体が存在しますが、これらの団体の認定を受けても許可・承認審査にあたって、優遇を受けられることはないのです。
ドローン検定を取得しても、国土交通省への許可・承認申請にあたって、様式3及び別添資料の添付を省略できるにすぎず、許可・承認上の優遇措置が約束されるものではありません。
それはドローン検定どの級でも同様に許可・承認審査上の優遇規定はありません。
ただし、基礎技能講習等を修了すると、許可・承認申請時に一部の書類の添付を省略することができます。(この場合も、審査上の優遇はありません)
ドローンへの免許制度導入
2022年度からドローンへの免許制度導入が議論されています。
ドローンを飛ばしたい人の全てに免許が必要というわけではなく、基本は有人地帯でドローンを飛ばす必要のある、ドローンを業務として使う人は免許が必要になるようです。
ドローン免許を取得予定のかたは、ドローン操縦士回転翼3級のような国土交通省認定の資格を受けておくと、免許制度導入時に、免許試験の一部免除などの恩恵も受けられるかもしれません。
ドローン操縦士回転翼3級の詳細や、取得できるドローンスクールの情報は以下を参考にしていただければと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
少し長くなりましたがドローン検定の取得メリットについて個人的な意見を書いてみました。
まとめますと、ドローン検定の認定証は、国土交通省のドローン飛行許可承認申請時に添付できますが、知識保有の参考情報程度にしかなりません。
基礎技能講習の座学免除にはなります。
なのでご自分のドローン関連の知識向上として活用頂くのが良いかと思います。
今後のドローン検定取得について参考になりましたら幸いです。
その他のドローンの知識を学ぶ講座として以下のようなマイクロドローンパイロット育成コースというものもあります。
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